57歳で早世した多才な台湾出身の芸術家、劉生容(1928-1985)の残した、
抽象絵画を展示保存するとともに、1926年製スタインウェイのフルコンのピアノを活用し、絵画、音楽、建築の三位一体を実現すべく、1999年に完成したプライベート・ホール。
劉生容は15歳、終戦前まで東京で暮らし、トモエ学園、玉川学園で学んだ。戦後台湾を代表する前衛作家として、東京で個展を開き、若干38歳で東京国立近代美術館、県立神奈川近代美術館、長岡近代美術館などに作品を収蔵されるなど、晩年まで日本の岡山で創作活動をつづけた。
一方でヴァイオリンを始め、音楽をこよなく愛した氏の精神は子供たちに受け継がれ、特に劉生容記念館において、これまでに40数回の国内外の一流演奏家による一期一会のコンサートが行われ、劉生容の芸術に触発された、音楽と人間の関係の探求が続けられている。