今日の昼、毎年1回歯の検診にこられている近くの小さい保育園の園児12名が私の病院にチェロを聞きに来ました。
来年の3月の発表会で宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」に取り組んでいるとのことで、本物のチェロの音を子供たちに聞かせたいとの園長のリクエストでした。
みんなハキハキとして、眼を輝かせて興味津々で、バッハの無伴奏、シューマンのトロイメライ、というゴーシュの中の曲から、(カッコーとインドの虎刈りもやらされました😅)白鳥、愛の挨拶、鳥の歌等々をまだ1歳から4歳の子供たちが一時間も集中して聞いてくれたのには驚きました(これまでの中で、私のチェロを一番に真剣に聞いてくれた人たちかもしれません😊)。
保育園でもすでに藤原真理さんが録音した林光作曲の「セロ弾きのゴーシュ」をずっと聞いていると知って、冷や汗でしたが。
トモエ学園の教育も素晴らしいですが、地方でもこのような人知れず子供たちに素晴らしい情操教育を施している保育園もある事を知り、子供たちを抱きしめて、良き国で良き国民となって、世界を輝かして欲しいと心より思いました。
今日の出来事の総括を。
実は、むしろ私のほうが子供たちから得られ、感じた愛のほうが大きかったです。
藤原真理さんのCDで勉強してきた子どもたちの手強いおだてに乗せられ、ついつい真剣勝負に出ざるを得ない場面もありましたが(何と、アンコールと言いながら、バッハの無伴奏をもう一回とか😅)。
終わった後に、「ミフネせんせい、よくがんばりまちた」と3歳の男の子から声をかけられたり、ある女の子は私の背中を優しくずっとさすってくれました。いかにも「疲れたでしょう」と言わんばかりに(家ではどんなに疲れて帰っても、誰もさすってはくれませんが😅)。
子供の世界の扉を開けて、一歩踏み入れれば、新たな発見とワクワクがありますね。
演奏の最後に私が話した内容は、私の前に座っているメガネをかけた男の子に「鼻水が出ているぞ!私の演奏を聞いて涙を流した人はいますが、鼻水が出たのは初めてだぞ!」ということでした。
またまた蛇足ですが、実は幼児に楽器を聞かせる事はとてもハードルの高いジャンルなんです😅
子供の年齢が下がれば下がるほど、1秒たりともじっとしない上に、興味がなければ直ぐにぐずり出しますので、最強の聴衆です😅
実は、私はこの30年間すでに無数の小学校や中学校で演奏して来ました。ルース先生や久保陽子先生などの名師もを30校以上お連れして、子供たちを近くに呼び寄せてやり取りしながらの演奏会をしてきた経験がなければ、昨日は手こずっていたと思います。
昨日の会が実は一番ハードルの高い内容でした。
何しろ、怖いと言われる病院へ連れていかれるわ、白衣を着たおじさんが出てきて、見たこともない家具のような物でデッカイ音を鳴らすわで、不安がるのが普通です😅
その上、大きな古時計とかの耳馴染みの曲のリクエストを全部無視して、バッハやシューマンなど聞いた事もない曲ばかりを聞かされましたし😅
それでもサービスが悪いと思われないために、一曲は子供たちのリクエストに答えました。私の守備範囲外の曲ですが😅