9月13日の東京紀尾井ホールにおけるクララ・シューマン生誕200年バースデー・コンサートが無事終了しました。
劉生容記念館所蔵のクララ・シューマン使用1877年製グロトリアン・スタインヴェックと奇美博物館所蔵のヨアヒムの愛器、1722年製ストラディバリ「ヨアヒム=エルマン」が時空を越えた出会いを果たしました。
楽器、演奏者、曲目、演奏会の意義、会場、裏方、聴衆、天気、全てにおいてパーフェクトに近い演奏会となりました。
ストラディバリの中でも、その作りと辿った歴史において、抜きん出た存在の「ヨアヒム=エルマン」と3回目再会を果たした久保陽子さんは「全く欠点が見当たらない、完璧なヴァイオリン」と、感嘆しきりでした。
今回の会に出会えなかった方は100年後にはお見逃しなく!
リハーサル中のワンシーンをご紹介。
「ヨアヒム=エルマン」を手にため息をつく久保陽子さん。
実は当日のバイオリンの弓も奇美博物館から、同館所蔵のトルテという名弓を持参してもらい、錦上に花を添えていただきました。
因みに、今回のプログラムの表紙に使用した花は「ミルテの花」です。
結婚式の前夜にシューマンがクララに贈ったミルテの葉にくるまれた歌曲集のタイトルが「ミルテの花」。その中の第1曲「君に捧ぐ(献呈)」をもちろん演奏しました。
更に、今回の事で、はじめて20年前から劉生容記念館の庭に植えてあった「銀梅花」がミルテの木であることを知りました。ご縁を感じます。