9月13日、紀尾井ホールでのクララ・シューマン生誕200年バースデー・コンサートで使用される予定のクララ・シューマンが実際に使用したピアノ(1877年製 グロトリアン・スタインヴェッグ[No.3306])が、壮大なアドベンチャーに向けて、いよいよ劉生容記念館から旅立ちました。
1ヶ月間大阪の松本氏の工房で最高の状態に調整を加えられ、9月初めに東京の楽器倉庫に運ばれ、13日の朝9時に紀尾井ホールのステージへ搬入。同日21時終演後に梱包し、22時までにホールから搬出、一旦東京の倉庫に納められ、その後一気に岡山に帰還する、という長大な旅です。
ピアノ運搬のプロの方たちのお陰さまで、演奏会が実現できます。
醍醐桜への奉納演奏の時も彼らがクララのピアノを運んでくれました。
2005年のルース先生の岡山シンフォニーホールでのラスト・コンサートの時も彼らが劉生容記念館のもう一台のスタインウェイを運んでくれました。
2日の演奏会の最後にステージに残されたピアノの梱包に取りかかろうとしたら、ルース先生が3人に「椅子を持って来てピアノの前に座ってちょうだい」と言いました。そして彼ら3人のために一曲演奏してくださいました。
「普通のピアニストから見たら一裏方のわれわれのために、労いの演奏をしてくれたのは、一生の中でも、ルース先生だけだった」と、今でも感激を伝えておられました。
今回もお世話になります。ありがとうございます。