9月13日、紀尾井ホールでのクララ・シューマン生誕200年バースデー・コンサートで使用される予定の「ヨアヒム=エルマン」のストラディバリに挨拶をしてきました(台湾の台南の奇美博物館)。ヨアヒムが30数年、エルマンが41年、ヨーゼフ・スークが10数年と超名演奏家に弾き継がれたストラディバリの中でも最重要な楽器です。
ヨアヒムはバイオリンの神童として、12歳でクララ・シューマンと共演してから、クララが亡くなるまで一生の友人でした。すでにスーパースターだったヨアヒムが2歳下のまだ無名だった20歳のブラームスをシューマン夫妻に紹介した事がヨアヒムの最大の功績とされています。
クララ・シューマンと出会わなければブラームスの芸術は違うものになったし、19世紀のクラシック音楽はこれほど豊穣な事にはならなかったでしょう。
生涯の親しい友人としてだけではなく、19世紀のクラシック音楽を牽引した事で、その役割を果たすべく、この三人は出会う運命にあったのです。